JAPANESE AMERICAN CITIZEN LEAGUE
OF MONTEREY PENINSULA

ジェリー・タキガワ氏の『Balanced Cultures』: 写真展

2018年11月30日~2019年2月3日

ジェリー・タキガワ氏の『Balanced Cultures』: 写真展
アルバラード・ギャラリー (カリフォルニア州モントレー、カンファレンス・センター中二階)

現在、アルバラード・ギャラリーでは、ジェリー・タキガワ氏撮影の雄弁で刺激的、かつ説得力のある26枚の写真からなるコレクションが展示されています。 タキガワ氏は、この『Balanced Cultures (バランスの取れた文化)』と名付けた写真展で、 日本とアメリカという2つの文化の中を同氏の家族がどのように生きてきたかを自伝的に展示することで、見ている私たちの共感を誘います。

タキガワ氏の倫理観は、両親が保管していた数個の箱に入っていた第二次世界大戦前から戦時中の家族の写真や手紙、遺品に強い影響を受けました。 タキガワ氏の両親は、モントレーの自宅から強制的に追い出され、アーカンソー州のジェローム強制収容所に収容されました。 収容所で子供を育てたくなかったタキガワ氏の両親は、ジェローム強制収容所から早期解放許可証が出るのを待ち、それからタキガワ氏の生まれたイリノイ州シカゴに移住しました。

二世を両親に持つ多くの子供たちと同様、タキガワ氏も両親から第二次世界大戦中の体験、特に収容所での体験について聞かされないまま大人になりました。 この沈黙は、約60年後に破られることとなります。父親が2005年に、母親が2011年に亡くなったあと、タキガワ氏は両親が遺した写真や文書の詰まった箱を見つけたのです。

タキガワ氏にとっては驚くべき発見でした。箱の中には、強制収容所発行の家族鑑札、母の日記帳をはじめ、フィッシャーマンズワーフで祖父が営んでいた魚市場やフランクリンで家族が経営していたレストラン『Azuma Tei』、祖父をノースダコタ州ビスマークに送検することとなったFBIの一斉捜査の写真、ジェローム強制収容所から両親に発行された早期解放許可証、幼いタキガワ氏と母親の写真、 フランクリンのレストラン、祖父をノースダコタ州ビスマークに送検することとなったFBIの一斉捜査、ジェローム強制収容所から両親に発行された早期解放許可証、幼いタキガワ氏と母親の写真、シカゴにいる父親の写真、家族三世代が写った写真、父親の登録カードと旧陸軍省の軍籍証明、そして家族の思い出の品々が入っていたのです。

タキガワ氏は、これらの文書や品物を写真に撮ることで、写真に絶妙なバランスと緊張感を生み出しています。 二と三の日系アメリカ人の多くが、日本語を話さない、日曜には教会へ行く、アメリカのスポーツをする、周りに波風を立てないなど、両親からアメリカ文化に溶け込むよう言い聞かされて育ちました。 それと同時に彼らは、一世の両親や、それを見て育った二世の両親と一緒に暮らすことで、日本人特有の「我慢」「仕方がない」「恥」などといった価値観も自然と学んでいきました。 このバランスと緊張感は、日米の価値観と象徴が美しくバランスの取れたタキガワ氏の写真にも反映されています。

タキガワ氏の自然に対する深い敬愛の念は、『Balancing Cultures』で展示される葉を使った写真にも反映されています。

『Balancing Cultures』はタキガワ氏の非常に個人的なストーリーであり、アメリカにおける差別の現実と蔓延に対するタキガワ氏の考えや認識が反映されています。 同氏の研究と考察は、戦争がいかに人種的プロパガンダ、集団ヒステリー、不合理な恐怖、社会的地位の低下、さらに不公平を生み出すかを明らかにしています。 タキガワ氏は同時に、見る者に問題提起し、歴史的および社会的なジレンマを解決するための希望と理由を見つけるための触媒として芸術を利用しています。

勇気と慈愛の心: 日系アメリカ人の
第二次世界大戦体験記

Casa Gutierrez
590 Calle Principal
Monterey, CA
営業時間: 木曜日~日曜日、午前10時から午後4時まで

『勇気と慈愛の心: 日系アメリカ人の第二次大戦体験記』では、第二次世界大戦中およびその直後の日系アメリカ人の体験談を年代順にご紹介します。激動の時代にアメリカの10か所のコミュニティで日系アメリカ人がどのように勇気や誠実さを持って行動したか、どのような並外れた支援活動があったかをご覧ください。 『勇気と慈愛の心』は、アメリカ合衆国国立公園局による日系人収容所跡地助成プログラムからの助成金、さらにGo For Broke国立教育センターとアメリカのいくつかのコミュニティに協力をいただき、実現することができました。

強制収容から解放された後も、カリフォルニアの多くのコミュニティの人々が日系アメリカ人一世や二世が元の町に戻ることを激しく拒否しました。 そんな憎悪と偏見が渦巻く中、モントレーでは440人以上の市民が日系アメリカ人への人道的な扱いを求める公的請願書に署名をしたのです。 嘆願書の署名者の中には、ノーベル賞受賞者のジョン・スタインベック、写真家のエドワード・ウェストン、生物学者のエド・リケッツなどの著名人も含まれていました。 この異例の嘆願書は、地元の歴史家ティム・トーマス氏によって最近再発見されました。市民の良心によるこの行動は、モントレーではほとんど忘れ去られています。 モントレーのこの素晴らしいストーリーと嘆願書は、9月22日から10月27日までCasa Gutierrezでご覧になることができます。

Go For Broke国立教育センターの詳細については、 goforbroke.org をご覧ください。

Megan Keller氏
教育&展示担当ディレクター
(310) 222-5710

Go For Broke国立教育センター
「第二次世界大戦の日系退役軍人の善行と勇気のある行動を通して、人格と平等性についての教育を進め、鼓舞すること。」